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God dag!Lone Wolf会計士です。
今回はみなさまどこかで聞いたことがあると思われる、EBIT(イービット)やEBITDA(イービッダー)についてわかりやすく解説したいと思います。
会計の世界ではこれらの指標は出てきませんが、ビジネスの現場やファイナンスの世界ではよく目にするかと思います。それではいってみましょう。
このブログはこんなブログ
このブログは「グローバル×会計専門性」を目指す人を対象に、「米国公認会計士の魅力やキャリア情報、及び「グローバル×会計専門性」というキャリアを歩むうえで役に立つノウハウが得られる」というコンセプトで運営しています。
前提知識はゼロかつ初心者向けの記事のため、「グローバル×会計専門性」のキャリアを目指すつもりがない方でも、会計のエッセンスの理解に役立つ記事の執筆を心掛けています。
ご参考にして頂ければ幸いです。
EBITとは?
まず、定義から。
EBIT = Earnings Before Interest and Taxes (支払利息控除前税引前利益)
EBIT = 営業利益(※) – 利息費用(Interest expense)
※日本基準でいうと、経常利益を使用することもあり
簡単にいうと、EBITは、税金支払い前の継続的に発生する本業からの利益(=営業利益)を示しています。また、言い換えると、税金支払い前の、株主にと債権者に還元可能な利益となります。
企業が稼いだ利益は債権者と株主に帰属することは以下の記事で解説しました。
ここでは、継続的に発生する本業からのみの利益を考えることが重要です。
例えば、ある年に特別に発生した、固定資産の売却益はEBITの計算に含めません。
例えば、ある年に特別に発生した、保有有価証券の減損損失はEBITの計算に含めません。
なぜか?主に以下の理由になります。
- 継続的に発生する利益のみに注目することで、企業の稼ぐ力のみを検討・比較したいため(比較可能性を高めたいため)
例えば競合他社と利益を比較したいときに、会計上の利益(例えば、当期純利益)を比較してしまうと、当期純利益には一時的な損益が含まれてしまっており、本当の意味での企業の稼ぐ力を比較できていないことになります。
ただでさえ不確実な企業の将来を考えるときに、一時的な損益がある利益を基礎にすると、正確に将来予想ができなくなってしまいますよね。
以上から、このような一時的な損益については調整する必要があることはご理解頂けたかと思います。
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なぜInterstとTaxは控除するの?
主な理由としては、上述した通り、企業間の比較可能性を高めるためです。
EBITは継続的に発生する本業からの利益を計算することで自社の将来を計画したり、同様に競合他社のEBITを計算することで、自社と競合他社の本業から稼ぐ力を比較することが目的、であるからです。
この目的を前提として、少し考えてみましょう。
企業は資金を調達し、その資金を使って資産を購入・運用し、事業を運営しています。
企業は資金を調達し、その資金を事業に投資していることになります。この事業に投資している資金を投下資本と言います。
ここで、投下資本の調達方法(資金の調達方法)は借入金と株主からの投資の組み合わせ、でしたね。
どのような比率で組み合わせるかは、個々の企業でまちまちです。無借金企業もあれば、負債比率が80%を超えている企業もあります。
そして、債権者の取り分の一部である負債に対する金利支払い(=Interest expense)についても、企業間で差異があることになります。
よって、この負債をどれだけ調達しているか、という企業間差異の影響を排除するために、Interest expenseは比較に使用する際の利益には含めない、という背景があります。
つまり、企業の投下資本から獲得した利益を、債権者と株主に分けて還元する前のトータルの利益で考えて自社の将来を考えたり、競合他社と比較したりしましょう、ということです。
Taxについても同様で、税金は各国間で差異もありますし、その他様々な理由で企業に適用される税率はまちまちです。
企業の将来を考える際は企業間の税率の差異も含めないで比較した方がより正確である、ということがTaxもEBITに含めない理由です。
EBITDAとは?
EBITDA = Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization (減価償却費支払利息控除前税引前利益)
ファイナンスがキャッシュをベースにしている一方、会計は利益をベースにしています。
また、業績の報告としては一律に適用されるルールとして会計が使用されています。
この会計上の利益を利用し、簡易的にキャッシュフローに直したものがEBITDAです。
計算式は簡単で、以下の通りです。
EBITDA = EBIT + 減価償却費 + 無形資産償却費(Depreciation and Amortization)
減価償却費や無形資産償却費は、会計上の費用として扱われます(あくまで会計上期間を区切って考える場合は費用です)が、実際にキャッシュアウトはしません。
加えて、減価償却費や無形資産償却費は会計基準として一律に決まっているわけではなく、選択の余地があるため、個々の企業の経営者の判断により、よりビジネスの実態を表すような手法が採用されております。
以上のように、会計上の利益から簡易的なキャッシュフローを計算すること、および競合他社間の比較可能性を高めるために、減価償却費や無形資産償却費を除いた財務指標を使うことがあるため、EBITDAという概念ができています。
最後に、EBITとEBITDAの全体像と数値の例を示しておきます。
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なぜEBITやEBITDAが登場するのか?
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なぜEBITやEBITDAが登場するか?についての理由を以下にまとめておくね
- ①発生主義に基づく期間を区切った業績報告を主眼に置いている会計上の利益ではなく、ビジネスにおいて最重要であるキャッシュフローに着目するため
- ②本業や経常的に発生する損益のみ考慮することで、企業が継続的に稼ぐことができる力のみを考え、自社の将来を計画したり、他社と横比較したりするため
- ③採用されている会計基準、資本構成、税務上の違いを取り除いた後の利益指標として採用することで、企業間差異を取り除き、比較可能性を高めるため
どのように使われるのか?
EBITやEBITDAの使われ方は、主に以下の2つになるかとおもいます。
- インカムアプローチとして、自社の将来キャッシュフローを見積もる際に、債権者と株主に還元可能なキャッシュフローの源泉として使用する
- マーケットアプローチとして、企業間で異なる会計基準、資本構成、税務上の違いを取り除いた後の利益指標として採用することで、競合他社との比較の材料として使用する
インカムアプローチ
企業価値評価として、「この企業にはいくらの価値があるのか?」という検討をすることがあります。
企業の価値を評価する上で、様々なアプローチが存在します。
そのうちのひとつがインカムアプローチです。
簡単に説明すると、対象となる企業の将来キャッシュフローを見積り、それを現在価値に割り引くことで、その企業には将来xxx円稼ぐ力があり、それを今の価値に直すと○○円、といった計算をします。
この中において、将来キャッシュフローを見積もる際、基礎となる利益としてEBITが使用されたりします。
インカムアプローチについての詳細は、以下の記事にまとめましたので、興味がある方はご参考にしてください。
マーケットアプローチ
EBITやEBITDAを計算し、企業間の差異がなくなった、継続的に本業から稼ぐことができる力が数値化できました。
従って、競合他社との比較を実施するために、EBITやEBITDAは利用されます。
具体的には、マルチプル(倍率)として、「企業価値はEBIT(もしくはEBITDA)の△△倍」というように、EBITやEBITDAの絶対額の比較ではなく、企業の規模を考慮しない形で使われることが多いかと思います。
いずれにしても、EBITやEBITDAは他社との横比較に有用です。
マーケットアプローチについての詳細は、以下の記事にまとめましたので、興味がある方はご参考にしてください。
今回は以上です。それではVi ses!
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