会計の全体像シリーズ初心者必見!会計の全体像

これだけ!会計士が会計の全体像を解説!【⑩ファイナンス応用編①】

会計の全体像シリーズ
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God dag!Lone Wolf会計士です。

今回は前回に引き続き、ファイナンスを取り扱います。

ファイナンス基礎編で説明したファイナンスの基礎知識を活かして、どのようにファイナンスを実務で使っていくか、ということがテーマとなります。

それではいってみましょう。

このブログはこんなブログ
このブログは「グローバル×会計専門性」を目指す人を対象に、「米国公認会計士の魅力やキャリア情報、及び「グローバル×会計専門性」というキャリアを歩むうえで役に立つノウハウが得られる」というコンセプトで運営しています。
前提知識はゼロかつ初心者向けの記事のため、「グローバル×会計専門性」のキャリアを目指すつもりがない方でも、会計のエッセンスの理解に役立つ記事の執筆を心掛けています。
ご参考にして頂ければ幸いです。

借入金の価値とは?

ファイナンスの現在価値の考え方を使うと、借入金(貸している立場からすると貸付金)の時価評価ができます。

え、借入金って時価なんてあったんだ…100万円の借金なら100万円の価値だと思うけど…

結論から言うと、借入金の価値は金利支払いと元本返済の現在価値の合計、となります。

下の例をご覧ください。以下の条件における借入金(元本100)の価値は95.5と計算されます。

  • 借入金の金利=2.5%/年
  • 借入金の元本=100
  • 借入金の期間=5年
  • 市場金利=3.5% (現在価値への割引率として使用)

現在価値へ割り引く際は、市場金利を使っているけど、なんで?

以前説明しましたが、お金には時間の経過によって価値が増えます(=時間価値があります)。

市場の金利が3.5%であれば、現在手元にある100円は1年後に103.5円になりますよね。

逆をいうと、1年後の103.5円を現在価値に直すと100円になります。

このような環境下においては、キャッシュは時間の経過とともに3.5%ずつ毎年価値が増えると考えられますので、3.5%が割引率として使用される訳です。

上の例では、市場の金利が3.5%もあるのに、この借入金は様々な理由から市場より良い条件(2.5%)で借りることができているので、100の借金であるにもかかわらず、現在価値に換算すると95.5しか払わなくてよい、ということになります。

なお、債権者の立場からは、将来受取る金利や元本返済のキャッシュインがある訳で、その現在価値の合計がその貸付金の価値です。

よって、現在価値に割り引いた価格(もしくはそれ以上)で売却できれば、その債券を譲ってもよいと考えるでしょう。

このようにして、債券市場ではこのように値決めがされて取引されています。

株式の価値とは?

突然ですが、株式市場の株価って、どのように決まると思いますか?

そうだね、、、日々値決めがされているけど何に基づいているか考えたこともなかったね

結論から言うと、株価とは、その株式を発行している企業から獲得できると期待される、株主への将来キャッシュフローを現在価値に割引き、その合計を発行済株式数で割ったもの、です。

なんだか、ややこしいね…

マーケットで株価が上下する理由は、例えば良いニュースが流れたとき、企業が獲得する将来キャッシュフローが増加する(=株主に還元されるキャッシュフローが増加する)と期待しているからです。

よって、良いニュースが流れたとき、ある投資家は、「この企業は将来もっと儲かるはずだ」と思い、株価が高値であっても購入します。

悪いニュースが流れたときは逆で株価は下がりますね。

要するに、個別企業に対する将来の期待で株価は値動きしているのです。

例えばAppleの株価が相当高いのは、Appleは将来たくさんのキャッシュフローをもたらしてくれるという期待値が含まれているんだね

なお例として紹介しますが、単純な株価の計算式として、配当還元法という方法があります。

シンプルな配当還元法として、以下の条件で株価を計算してみましょう。

  • 配当金は毎年3支払われると仮定
  • 株主資本コストは10%(現在価値への割引率として使用)
  • 企業は永続する前提(継続企業の前提)

割引率について補足すると、この株式に投資すると得られると期待されるリターンが10%であれば、現在手元にある100円は1年後に110円になりますよね。つまり時間の経過によって価値が増加(毎年10%増加)するという、時間価値があるということになります。

逆をいうと、1年後の110円を現在価値に直すと100円になります。

このような環境下においては、この企業に投資する場合10%が割引率として使用される訳です。

企業は永続する前提なので、配当金は永遠に支払われますが、100年後まで(それ以降の配当金の現在価値はほぼゼロ)として計算すると、その合計は30になりますね。

非常にシンプルな計算ですが、この30が株価となります。

(配当が一定の場合、公式としては、株価=(1年後の配当金)÷株主資本コスト となります)

将来30のキャッシュインが見込まれるので、30で購入してもよい、と考える投資家が表れるということですね。

一方で、将来もっと配当金が支払われる!と考える投資家もいて、その場合は30以上の値段が付くことになります。

個々の投資家が独自のキャッシュフローを予測して、それを現在価値に割り引いているということです。

このように、ファイナンスは将来キャッシュフローを基礎にその現在価値に割り引く、ということで株式を含む様々なモノの価値を計算することができます。

企業価値とは?

上記株価に関連して、企業価値評価という実務があります。

これは、借入金の評価、1株当たりの株価や、株式の価値をすべて合計すると一企業としていくらの価値があるのか?ということを算定する実務です。

企業の買収や組織再編の際に、企業自体や一定数程度まとめた株式を売買することがありますので、その際に必要な実務になります。

上でご紹介した株価は、毎年一定の配当金が支払われる、という非常にシンプルな前提でしたが、実際の企業におけるキャッシュフローはもっと複雑です。

また、配当金だけではなく、色々なアプローチから企業の価値を算定することができます。

以下の記事に企業価値評価の概要をまとめておりますので、ご興味ある方は是非お読みください!

今回はこの辺りで!それではVi ses!

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