God dag!Lone Wolf会計士です。
まず皆様に最初に読んで欲しい記事として、なぜ今の時代にキャリアを積んでいく上でグローバルという目線が必要なのか?という点について解説していきたいと思います。
もちろん、グローバルという目線を持たなくとも日本国内で生活はしていくことは可能ではあります。
特に日本は国内市場が大きく、かつ外国から輸入されるもの、例えば商品そのもの、商品に限らず、本、映画、学術的な研究結果までも翻訳されているため、生活する上ではすべて日本語で成立し、グローバルという目線を持たなくても実はそんなに不自由することはないと思います。
確かに、周りをみていてもドメスティック人が多い気がするね
しかしながら、一歩進んでグローバルという目線を持ちグローバルで活躍できるようになれば、選択肢や自分ができることも増えることは事実です。
特に、これからの時代においてキャリアを積んでいく上で、グローバルというキーワードは全員が必ず持っておくべきものだと考えます。
それではいってみましょう。
このブログはこんなブログ
このブログは「グローバル×会計専門性」を目指す人を対象に、「米国公認会計士の魅力やキャリア情報、及び「グローバル×会計専門性」というキャリアを歩むうえで役に立つノウハウが得られる」というコンセプトで運営しています。
前提知識はゼロかつ初心者向けの記事のため、「グローバル×会計専門性」のキャリアを目指すつもりがない方でも、会計のエッセンスの理解に役立つ記事の執筆を心掛けています。
ご参考にして頂ければ幸いです。
グローバルな世界における日本の立ち位置
日本市場に上場している会社の時価総額
まず、世界における日本の立ち位置をみておきましょう。
世界には様々な会社があります。
その中でも世界をリードしている多くの大企業は世界各地にある証券取引所に上場しており、一般人にもその株式の購入が可能となっています。
各社株価は日々取引されるゆえに毎日変動しますが、その日々の株価に基づいて、時価総額というものが計算できます。
時価総額は簡単にいうと、ある会社の発行済株式の時価合計です。(厳密には正確ではないですが)ざっくりと時価総額はその企業の時価(=企業価値)を表していると理解してよいかと思います。
証券取引所は世界の各地にあり、主にその各地での国内企業が上場しています。
それでは、主要な証券取引所別の上場企業の時価総額合計を比較してみましょう。主要取引所の時価総額合計に対して、各証券取引所の時価総額が占める割合は以下の通りです。
野村資本市場研究所:市場の各種推移 参考統計 より
野村資本市場研究所|市場の各種推移≪株式市場≫(PDF) (nicmr.com)
東京証券取引所が世界に占めるプレゼンスは低く、10%以下となっていることがわかりますね。
一方、アメリカの主要証券取引所であるニューヨーク市場とナスダックを合計すると50%を超えます。つまり、世界中の主要証券取引所に上場している企業の価値の半分以上が、アメリカの証券取引所に上場している企業のものである、と言えます。
したがって、価値がある企業はアメリカ市場に集中しており、グローバル目線でみると日本市場に上場している企業(≒日本企業)の存在感が低くなってしまっていることがわかります。
数十年前には日本企業が世界の時価総額ランキングのトップにいた時代もあったのにね
日本企業の現状の海外展開率
時価総額から日本市場だけでビジネスをしていても、つまり日本企業のみを相手にしてビジネスをしていても、その市場規模はグローバル目線で見ると小さく、国内市場のみでの成長には限界があることがわかりました。
ということは、日本企業としては、売上をより多くあげるためにより大きな市場にアクセスし、そこでビジネスを展開したいと戦略をたてることが一般的かと思います。
それでは、日本企業が実際に海外展開をしている割合はどれくらいなのでしょうか?
日本貿易振興機構(ジェトロ)が日本企業の海外展開に関するアンケート調査を出していましたので、ご紹介します。
2022年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2023年2月)Ⅰ. 回答企業の概要 より
2022年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(2023年2月) | 調査レポート – 国・地域別に見る – ジェトロ (jetro.go.jp)
企業が何らかの形で海外との関わりがあるような活動をしているかどうかについて、海外拠点、輸出、輸入という形でのアンケートが取られていました。結果は以下の通りです。
- ①海外拠点の有無 大企業:79.2%、中小企業:33.1%、全体:40.0%が海外拠点がある
- ②輸出の有無 大企業:68.2%、中小企業:77.0%、全体:75.7%が輸出をしている
- ③輸入の有無 大企業:55.2%、中小企業:40.6%、全体:42.8%が輸入をしている
上記アンケート結果の解釈については様々あるとは思いますが、各項目に重複があるため、特に大企業であればほぼ海外との関わりがある、と言えそうです。
中小企業においても、海外企業との取引や海外での活動があることは、決してレアなことではないと言えます。
日本企業の今後の海外展開戦略
さて、日本企業の海外展開の現状がわかったところで、今後海外展開はどうなっていくのでしょうか?
PwC Japanグループが日本企業にアンケートを取っていたのでご紹介します。
日本企業のグローバル戦略動向調査 PwC Japanグループ より
日本企業のグローバル戦略動向調査 2022-2023 | PwC Japanグループ
PwC Japanが実施したアンケートによると、日本企業の海外展開は今後も増加していくこと、付随して人材の獲得や維持が経営課題に挙げられていることがわかります。
以下当該アンケートのうち、重要だと思われる部分をピックアップしています。
- 中長期的な海外展開に対する投資姿勢として、全体の98%が積極的に投資 or 現状維持 と回答
- 今後の海外投資先として、有望な投資先はアメリカ、という回答がアンケート上1位
- 今後の更なる海外展開の経営課題として、海外事業を担う人材の採用・獲得・維持、がアンケート上2位
以上のデータから言える結論
これまでチェックしたデータから言える結論としては、日本市場の規模がグローバル目線では限定的であること、及び日本企業は現状既に海外展開を行っている企業がほとんどであり、今後その傾向は増加していくと思われ、その戦略を加速するためにグローバルな人材が必要とされている、ということかと思います。
このような背景があるならば、私たちはグローバルに活躍できる人材とならなければいけないね
今後日本企業で働く上で、グローバルというキーワードはマスト
さて、これまでの調査結果からご理解いただいた通り、日本企業で働いており、このブログを読んでいただいている向上心があるであろう読者のみなさまにとって、グローバルというキーワードは必須といっても過言ではない言えます。
もちろん、グローバルな目線を持ち、向上心を高く持ってグローバルで通用するように鍛錬していく必要が日本国民全員にあるかと言われれば、Noです。
国内市場はグローバルスケールでは小さい、と言えますが、それでもアメリカを除けば世界の中で上から3番目に大きな市場であると言えますし(そろそろGDPでドイツに抜かれそうという予測もあるようですが…)、もちろん国内のみの業務で立派に働いている方もいます。
しかしながら、やはりグローバルな目線を持たないで国内限定のキャリアを選択してしまうと、非常にもったいないと感じます。
理由は以下の通りです。
国内専門家となると、成長機会や昇進機会が限定される
例えば、国内専門業務しか仕事ができない人がいたとします。
筆者の同僚にも、英語が全くできないので国内業務しかやらない人は多数いました。
もちろんそういった人に対して回ってくる仕事は国内の仕事に限定されます。
一方で、グローバルに活躍できる人材には、グローバルなプロジェクトに配員されたり、海外取引先とのハードな交渉ができたり、国内の案件に加えて様々な経験が可能です。
また、海外での新規事業立ち上げ、海外取引の開始、海外企業の買収、このように会社の社運をかけるような大きなプロジェクトは国内専門家には回ってこず、ゆえに国内専門家であると成長機会が限定的となってしまいます。
特に大企業であれば、そういったチャンスに巡りあうことはレアではないと思います。
ゆえに、国内専門家に留まることをチョイスすることはもったいないのです。
また、評価という点についても、「海外も国内もすべてお任せ!」という積極的なスタンスの人が重宝されるのはいうまでもありませんね。
日本企業が目指す海外展開の加速、そういった戦略と合致しないような人は昇進の機会も恵まれないのは当然です。
国内専門家であると、評価を上げる機会と同時に昇進の機会も逃してしまっているのです。
なお、勘違いしている人がいますが、「グローバル人材は英語がちょっとできるだけ」というような批判をする国内専門家がたまにいます。
日本企業で働いているのであれば、日本語で仕事が進められることも多いですので、国内専門家も(国内限定ではありますが)もちろん仕事を回すことができます。
よって仕事ができるというレッテルを自分自身に張っている彼らの言葉の裏にあるメッセージは、「グローバル人材は英語ができるだけで仕事はできない」、です。
ここで勘違いが生じていますが、グローバル人材は国内の仕事ももちろんこなせるのです。その上でグローバルな仕事も両方できるようになるのです。
グローバルな視点を持つことで、活躍の場所が広がるのです。
日本市場ではグローバル人材が不足しているため、ライバルが少ない
これは日本固有の現象ですが、日本人は英語ができないかつグローバルに通用しないと思われている国民です。
まずWorld Competitiveness RankingというスイスのビジネススクールIMD World Competitiveness Centreが公表している、世界人材ランキングという指標がありますのでご紹介します。
この指標は各国の人材開発・誘致や人材の質をランキング形式で公表しているものですが、日本は64ヶ国中35位でした。中国や韓国よりも勿論下のランキングとなってしまっています。
世界人材ランキング2023年結果
World Competitiveness Ranking 2023 – IMD business school for management and leadership courses
同様に、国際教育事業のリーディングカンパニーであるイー・エフ・エデュケーション・ファーストが公表している世界最大の英語能力指数ランキング(2022)によると、日本は英語能力において111ヶ国中80位です。
世界最大の英語能力指数 ランキング
EF EPI 2022 – EF 英語能力指数 (efjapan.co.jp)
もちろん、英語だけがグローバル人材ではないですが、英語はグローバルで活躍するための必要条件です。
グローバルな目線を持ち、英語を鍛錬し、英語ができグローバルに通用する人財になるだけでライバルが少ない貴重な存在となります。
英語という少しの鍛錬を積むだけで貴重な存在に簡単になれるのに、グローバルな目線を持たないことは相当もったいないです。
日本市場は成熟しており、賃金の増加が見込めない
このようにグローバルな目線を持ちグローバルな人材となるメリットが多々あるのに、国内にこだわり、100歩譲って国内専門家として生きていくとします。
グローバルな挑戦をしないわけですから楽ですが、長期的にみると非常もったいないと思います。
例えば日本の賃金です。以下のグラフをご覧ください。
1991年の賃金を100とした場合の2020年の名目賃金を表したグラフですが、アメリカは2.5倍に賃金が上昇しているのに対し、日本の賃金は過去30年間に渡り横ばいです。
物価上昇を考慮した実質賃金でも、アメリカは1.46倍の賃金上昇ですが、日本はほぼ横ばいである傾向は変わりません。
内閣府 一人当たり名目賃金・実質賃金の推移
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je22/h06_hz020105.html
グローバルに活躍しないで日本にキャリアを限定してしまうことで、大きな賃金上昇の機会を逸してしまうことがわかります。
さらに賃金が上昇しないのに、社会保険料の増加を背景に税金は増えていくことは議論を待たないと思われます。
経済的な意味でも、日本に固執することは非常にもったいないですね。
日本市場は少子化の影響で、市場の成長機会が限定的である
過去の賃金上昇の推移は紹介しました。
それでは過去は過去であり過去の傾向が永続することはないと割り切って、未来の方向を見てみましょう。今後日本は賃金上昇を伴うような成長の余地があるのでしょうか?
日本は少子化です。今後人口が減っていくことは人口統計から明らかですし、様々な議論もなされているので、詳細は他のサイトに譲ります。
では国内の少子化が加速することを前提として、国内市場が成長するため(=ここではGDPの成長と考えます)にはどんな方法があるのでしょうか?
GDPは消費、生産、分配の側面で国の経済をとらえます。
例えば、消費の観点でいえば、2000兆円にも及ぶといわれている個人資産をいかに貯蓄から消費に変えていくか、というマインドチェンジの観点がありますね。
例えば、生産という観点でいえば、少ない労働力でも同等の(もしくはそれ以上の)付加価値を出せるためにどのように生産性を上げていくか、という生産性向上やイノベーションの観点もあります。
例えば、分配という観点でいえば、賃金への分配をいかに上げるか、成長産業にどのように投資をしていくか、という労働者への分配の観点もあります。
このように色々な打ち手があることは事実です。
しかしながら、抜本的な構造を変えずに、具体的で実行可能、かつ効果的な案としてはどれもピンとこない気がするのは筆者だけでしょうか?
一方、GDP増加に対する即効薬として、現在GDPで世界2位の中国からもわかるように人口規模を増やせば単純に成長できます(人口が増えるだけ単純に消費の総量も増えますからね)。
例えば、人口が10倍になれば単純に考えれば消費も10倍になりますよね。
しかしながら、少子化であり、移民で人口減少をカバーする気がない日本はそれもできそうにありません。
ためしに移民の推移を見てみましょう。外国人登録者数の推移が以下のグラフです。
何十年も前から少子化が叫ばれているのにも関わらず、移民の総数は限定的です。確かに増えてはいるものの年間数万人単位であり、少子化による人口減少のペース(年間数十万人単位)と比べるととても桁が合いません。
在留外国人統計結果の概要 2022年
在留外国人統計(旧登録外国人統計) 結果の概要 | 出入国在留管理庁 (moj.go.jp)
このように日本は外国人移民に対して閉鎖的で、人口減少をカバーするための移民政策も限定的といえるのではないかと考えております。
言語の壁もあります。日本国民自体が英語ができませんから、外国人として日本に永住するためには、難解な日本語という言語をマスターするという大きな壁もあります。
外国人が定着しないのもうなずけます。
以上のように、残念ながら将来日本はジリ貧していくことは(ほとんど)確定しているのです。
これが日本にだけ目を向けてしまうことのデメリットのひとつです。
まとめ
いかがでしょうか。
日本はかつて時代のニーズと日本人の特性がたまたまマッチした高度経済成長期の繁栄から脱却できずに、21世紀のグローバル社会ではその存在感が減っているのは周知の事実かと思います。
そんな閉鎖的な日本だけに固執するのではなく、視野を広げてグローバルな視点を持ち行動していくことが今の世の中では必須といってもよいのではないかと考えております。
それでは今回はこの辺で。
Vi ses!
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