会計の全体像シリーズ初心者必見!会計の全体像

これだけ!会計士が会計の全体像を解説【②会計の超基本概念】

会計の全体像シリーズ
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God dag!Lone Wolf会計士です。

そもそもなぜ会計が必要かを理解して頂いたところで、今回は「会計の大原則」のうち、重要な部分を解説していきたいと思います。

それではいってみましょう。

このブログはこんなブログ
このブログは「グローバル×会計専門性」を目指す人を対象に、「米国公認会計士の魅力やキャリア情報、及び「グローバル×会計専門性」というキャリアを歩むうえで役に立つノウハウが得られる」というコンセプトで運営しています。
前提知識はゼロかつ初心者向けの記事のため、「グローバル×会計専門性」のキャリアを目指すつもりがない方でも、会計のエッセンスの理解に役立つ記事の執筆を心掛けています。
ご参考にして頂ければ幸いです。

会計ルールの大原則はなにか? 【保守主義、発生主義、測定可能、期間区分】

会計の原則も、その原則に基づいて作成されているルールも会計の世界にはたくさんありますが、理解しておくべき基本的な概念は以下だけです。

細かいルールは会計専門家におまかせしておいたとしても、上記会計の根幹だけ正しく理解しておけば、ほとんど会計はマスターできたようなものです。

へー、会計の原則は4つだけ理解しておけば十分なんだね。簡単。

保守主義とは?

会計における保守主義とは、「Good Newsは控えめに報告。Bad Newsこそ手厚く報告」ということです。

どういうことでしょうか?

企業の経営者は、基本的に業績をよく見せようとするインセンティブが働きます。

結果として、売上や利益は水増して報告したい、負債や費用はできる限り少なく報告したい、という考えになりがちです。

従って、会計ルール上は「売上や利益はできるだけ後に(より確度が高くなってから)報告する。負債や費用はできるだけ速やかに報告する」というコンセプトの下成り立っています。

迷ったら保守的に会計処理をする。これだけ覚えておけば結構な確率で会計的には正解です。

例えば、

  • 来月のシフトが決まった時点ではバイト代を収入とはせず、シフトに基づいてバイトを終えた後に初めて収入とカウントする。
  • 家の水道が水漏れしそうであれば、来月業者に修理してもらってから費用とするのではなく、業者を呼ぶ可能性が高くなった時点で前もって今月の費用とする。

簡潔にいうと、これが保守主義です。

発生主義とは?

発生主義とは、現金主義の反対と考えればよいかと思います。

現金主義って何?

現金主義とは、現金の授受を持って会計処理をする(=企業の家計簿に記帳する)ことです。

一方、発生主義とはビジネス活動が発生した時点で会計処理をする(=企業の家計簿に記帳する)ことです。

例えば、クレジットカードを使ってデパートで洋服を買ったとします。

  • 現金主義で会計処理をすると、来月のクレジットカードの引き落とし日に初めて費用となる。
  • 一方、発生主義では、洋服購入時点で取引は「発生」しているので、購入時点で費用となる。

会計では現金主義ではなく、発生主義が採用されています。

測定可能とは?

貨幣単位の前提ともいいますが、細かいことは抜きにして、重要なのは、

「会計は貨幣で測定できるものしか取り扱わない」

という会計には潔い前提があります。

前述した保守主義とも関連がありますが、会計は金額に換算できないものはノータッチ、というスタンスを取っています。会計は自分の限界をしっかりとわきまえているのです。

結構重要なのでもう一度繰り返しますが、

会計は金額に換算できないものは取り扱わないルールである。

ということです。

そうなんだ。金額に換算できないって、具体的にはどういうことなの?

例を挙げると、

  • 超優秀なエンジニアをヘッドハンティングできたので資産として50億円計上したいが、超優秀なエンジニアの価値は金額に換算できないので会計上はガン無視。
  • 「チームワークが良い」「連携技が得意」であるサッカーチームにおいて、「チームワーク」や「連携技」は金額に換算できないので会計上はガン無視

ご理解頂けましたでしょうか?

重要なのは、

「ただでさえ保守主義で保守的な処理をしているのに、加えて金額に換算可能なものしか扱わない会計上の数値は、超保守的である」

ということです。

意外とこの前提を理解できていない人も多いと思うので、知っておいて損はないと思います。

従って、会計の数値だけでは十分でなく、会計を超えた世界(=投資の世界等)が存在してしまうことになるのです。

会計もっと頑張れよ…という声が聞こえてきそうだね

まあ、一律に同じルールを作ってその下で業績を報告させることで、過去比較や横比較を可能にする目的があることから、仕方のない面もあるということですね。

例えば、各社好き勝手に「チームワーク」の価値を勝手に測定して、業績として報告されても比較ができなくて困ってしまいますよね…

なお、取得原価(何かを買った時の値段)は客観的事実の存在や金額もトレースできるので、会計では非常に幅広く使われています。

これを会計上は「取得原価主義」といっていますので、蛇足として紹介しました。

期間区分とは?

これは簡単に言うと、会計は期間(通常は1年)を区切って業績を報告するルールを定めている、ということです。そして、期間を区切るということは、企業活動は継続することを前提としています。

この前提を「継続企業の前提」と呼んだりしています。会計の世界では超有名な用語なので、覚えておいて損はないかもしれません。

なお、重要なのは1年に期間を区切って業績が報告されるので、以下のような会計にまつわるあるあるの話が出てきます。

  • 期間を区切らなければいけないので、決算日が近くなると、決算にまつわる書類を経理部が色々と回覧してくる。例えば受注済製品が期末日までに出荷されているか?等々
  • 1年を超えて発生する費用は、期間に応じて按分する処理がなされる。例えば、5年間使用する予定の機械は購入価格の5分の1を初年度の費用とする。等々
  • 1年に区切って業績を報告するので、長期的な企業の繁栄ではなく、会計上の短期的な利益に目が行きやすくなり、小手先のテクニックで会計の利益をよく見せたがる経営者が続出する。等々

期末日付近の経理部の苦労を思うと、協力してあげたくなるね!

最後の点は、企業の目的は会計の利益の最大化ではない点は、頭出しさせて頂きます。詳しくは、また後日。

今回はこの辺りで。Vi ses!

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